コロナウイルス(新型肺炎)が世界中に拡大するなか、米国の株式市場の3指数(NYダウ、ナスダックなど)は市場最高価格を更新するというニュースがでています。
今回のコロナウイルス については、特に米国市場は耐性があるとみているのが井上先生。
最近もテスラモーターズの株価が大きく値上がりしていることも話題に上がっています。
これら株価の動きはコロナウイルス の影響を本当に受けているのかと感じてしまう状況ですが、それ以上に影響を受けているのが原油になります。
この記事は井上哲男先生の「相場の潮流(メルマガ)」( 2020年02月13日 09時06分発行)よりご紹介していきます。
コロナウイルスに耐性がある米国市場
以下は株のニュースサイトより。
米国市場は本格化する決算への期待や金融株への買いを受けて続伸し、主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。
上昇して始まったダウ平均はしばらくして70ドル高余りまで買われた後15ドル高まで一旦弱含む場面もありましたが、午後に入って再び上げ幅を広げると85ドル高の22,956ドルと高値圏で取引を終え、11日に付けた史上最高値を3日ぶりに更新しています。また、S&P500株価指数も4ポイント高の2,557ポイントとなり、こちらも11日に付けた史上最高値を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も18ポイント高の6,624ポイントとなり連日で史上最高値を付けています。ーマネくり
以下から井上の先生のメルマガの内容
昨日、オリジナルテクニカル指標の底入れが続いていることを記したが、米国市場は3指数ともに最高値を更新した。
ここもと、米国市場を見ていて思うのが、個別銘柄の動きで紹介されるものたちが、このコロナ騒動以前と全く変わっておらず、四半期(及び年度)決算で一喜一憂しながらも、下げた銘柄も押し目はその後拾われるという、強い相場時の特徴的な動きがやはり底を流れているということだ。
この状態は、債券市場や他の市場が大きく(このコロナ材料で)動いていることを考えると、少し奇異にも映る。(今回の騒動の開始時に書いたことだが)本当に、米国株式市場はパンデネタに対する耐性が強いと改めて思う。
世界の主要な市場である株式市場があまりコロナウイルスに反応せず、債権などの他の市場が動いていることが不思議に感じている井上先生。
コロナ材料で株以上に反応しているのが原油1
「他の市場」と書いたが、もっとも大きく動いたのはWTI及び原油相場と言える。先日、投機筋の買いポジションが依然として高位であることから警鐘を鳴らしたが、直近、WTIは1バレル50ドルを割り込み、ほぼ1年1ヶ月ぶりの安値水準にある。
この動きをアップデイトの意味も含めてグラフ1として添付するが、米国イランの対立激化を懸念して、直近最も投機筋の買いポジションが膨らんだのが今年1/7のことで、その枚数は56万7272枚の買い超であった。(投機筋ポジションは毎週火曜日時点の数値)
このときのWTIの値は62.70ドル。グラフ上部に直近の値を記しているが、それから4週間しか経っていない先週火曜日(2/4)時点での買い超枚数は39万7374枚、WTIの値は49.61ドルとなっている。実に枚数はちょうど30%手仕舞われ、価格は同じく20%下落したことになる。もし、20%=2割も株式指数が下落していたらどうなるかを考えれば、この大きさが分かると思う。
ここまでの原油相場に関する動き、ニュース、材料をここでいっせいに整理することとする。
ここにおける市場を動かしている材料とは、「新型コロナウイルスの影響による世界経済への影響=原油ニーズの低下」VS「減産合意に向けた足並み」である。
前者の動きで、まず口火を切ったのは1/22のIEA(国際エネルギー機関)のピロル事務局長の発言であったと考えている。いわく、「(新型コロナウイルスの影響も考慮して)今年上半期は日量100万バレルの供給過剰になる」
ここから、市場は、実際の中国での動向をもっとも注視するようになった印象を受けるが、2月に入り、その中国の石油化学会社の動向がさらに市場を動かすこととなった。具体的には2/3に、中国石油大手の中国石油化工(シノペック)が2月の石油処理量を約60万バレル(約12%)削減する見込みと報道されたことである。
続いて、先週2/10に、シノペックに加えて、中国石油(ペトロチャイナ)、中国海洋石油の2社が2月の原油処理量を合計94万バレル削減する見込みが明らかとなり、この新型コロナウイルスが中国本土に与える深刻な影響を強く市場が認識したのである。(続く)
大きな原油の価格の落ち込みから、コロナウイルス の影響であると感じられている原油市場
石油と中国のコロナウイルス についての関係は非常に注目していきたいところです。
井上哲夫先生の相場の潮流
今回の内容は井上先生の「相場の潮流(メルマガ)」よりご紹介しています。