中国から発生したコロナウイルス(新型肺炎)が、日本やカナダなど世界的に流行しているところで、株式市場も下落する状況となっていますが、その下落については現在限定的となっています。
井上哲夫先生は、チャート上ではテクニカル的に3乖離を意識していて、今後米国市場の金利の低下による株式市場の上昇について注目をしています。
この記事は井上哲夫先生の「相場の潮流(メルマガ)」( 2020年01月31日 09時49分発行)よりご紹介していきます。
米国市場のコロナウイルスへの材料は限定的
この連載において、米国市場はパンデミック系の材料には(過度に)反応しないということを述べたが、昨夜の米国市場はその典型であった。
アジア市場は、昨日の日本市場の動きがその象徴であったように弱含み、日本時間夕刻に開場した欧州市場もその流れを汲んで大きく下落し、時間外取引の米国株式指数先物取引も、0.8%程度前日比で下落する場面もあったものの、開場後はダウは100ドル程度の下げから切り返し、アジアも欧州も市場が閉まったなか、“独自”の「我関せず相場」を展開した。
これにより、シカゴの日経平均先物、そして大阪の日経平均先物イブニングセッションも切り返し、2万3000円台を軽々と超えていった。昨日は何もなかったかのように、である。
チャート上の3乖離からみる株式市場
この前兆については、昨日の「潮流」で、その前の月曜急落時の各市場指数下落率で解説したとおりであるが、日本市場は昨日の下げにより、まずは意識すべき書いている日経平均3乖離のマイナス10%水準に、実値が近づいてきた。
昨日時点でのグラフを載せるが、マイナス10%水準は2万2665.83円、実際の日経平均は2万2977.75円であり、そのギャップは311.92円とかなり接近してきた。(ゆえに、実は昨夜の米国市場の「我関せず、切り返し相場」は、実は残念でならない)
テクニカル的には、この3乖離がまずは下に行き、底打ちしないうちに、二の矢、三の矢(RSI、VIX可視化等)が飛んできて、1枚、そして、(評価損状態であっても)もう1枚とポジションを形成するのが、これまでも利益が結果的に大きくなるパターンなのだが、今回、昨夜の米国市場の戻りによって、一の矢さえも、そこに到達しない可能性は出てきたが、まずはこの3乖離を継続モニタリングする。
米国の金利の状況に注目する
そして、さらに大きなグレートローテーションという観点からは、やはり米国金利を追っていかなくてはならない。
直近の2年債が催促ゾーン(FF下限よりも下)にまで低下してきたのでグラフを添付する。金利低下は債券へのシフト、上昇は株式へのシフトという資金フローであることは明らかである。米国におけるETFの資金流入出とともに追っていく
井上哲夫先生の相場の潮流
今回の内容は井上先生の「相場の潮流(メルマガ)」よりご紹介しています。